ながおか森林塾 2018年

二日目 2018.06.09

今年の受講生は、なかなか覚えが早い。
今日は、現況調査や施業診断といった理論的なものと、実際の伐倒に進みます。
これまでの丸太を使った練習とは一味違った感覚が必要です。

今日の講座内容は
現況調査 ------- 森林に手を入れる前には、現在の状況を知らなければいけません。
施業診断 ------- 現況を知ったうえで、どのような森林にしていくか、施業の方針を決めます。
選木 ----------- どの木を残すのか、伐るのか、施業の方針に従って選んでゆきます。
伐倒 ----------- 安全で確実な伐倒技術を知っていただきます。


9時10分 現況調査〜施業診断〜選木
今後の山づくりに必要なデータを集めます。
最低、樹高・樹齢・成立本数が判れば現在の状況が判断できます。
樹高・樹齢は、サンプル木を伐採して測ります。
成立本数は10m四方のプロット内の本数を数えて、haあたりの本数に換算します。
林業では、haあたりの数値に換算して比較します。
得られたデータをもとに、森林診断書を作成、密度管理図樹高成長曲線を使用して現在の森林の状況を判断します。
現況調査で得たデータをもとに、今後どんな山にしてゆくかを決めます。
どんな森林にするかは、山主さんの特権事項です。ただし、各種保安林に指定されているなどの条件があるときには、それを加味して考えなければなりません。
一度決めた方針は、コロコロと変えないようにしましょう。
森林の成長には、長い時間がかかります。じっくりとその時間と対峙することが必要です。
方針に沿って、残す木、伐る木を決めます。
11時30分 昼食
12時30分 伐倒
いよいよ、立木の伐倒になります。
一日目に受け口や弦の重要性について学びました。
今日はそのほかの要素についての講義です。
伐倒で気を付けなければいけないことは、安全のことは当たり前ですが、「残す木を傷つけない」ということ。
掛かり木を作ってしまえば、少なからず掛られた木に傷がつきます。傷がつけば、そこから腐っていったりして、良い木には育ちません。そのためには、どこを狙うか?など、伐倒の極意を伝授します。
まずは、前回の復習から始めます。
受け口の水平切りはあくまでも水平に。
なおかつ水平切りと斜め切りをしっかり合わせる。
この合わさった線(嵌合線)がきちんと狙った方向を向いていること。
そして、弦が左右同じ大きさにできていること。
掛かり木にしないためには、倒れてゆくときに樹冠がどこを通過してゆくかを見ることが大事です。

今回の伐倒では、重心方向に倒すことを基本にし、万一掛かり木になってしまった時のために、あらかじめロープをかけてあります。

伐倒後には必ず、切株を見て、受け口の方向や弦の大きさなどの検証をします。
立っている木は生きています。伐倒するということは殺してしまうこと。
一本伐ったら一歩成長していないと、伐った木に申し訳ない。
16時00分 まとめ
     

現況調査や施業診断のやり方は分かっていただけたでしょうか?今年の受講生は自身の持ち山の手入れをしたいという方がほとんどですので、ここはしっかり押さえておいてほしいところです。
判らないところがあれば、何度でも設問してください。
初めての伐倒、いかがでしたか?思っていたより簡単だったでしょう。指導者が良いからですよ。
次回は枝払いと造材があります。意外と事故の多い作業です。安全な方法、疲れない方法を教えます。

夜は恒例の懇親会。飲み過ぎて・・・大人の飲み方をしましょうね。