ながおか森林塾 実践コース

一日目 2010.9.25

いよいよ、「ながおか森林塾」実践コースの開講です。
今回の受講生は7名。「入門コース」から継続の方3名。初めて受講の方4名です。
今回も写真たっぷりでお知らせします。受講生の皆さん、失礼なコメントがありましてもお許しください。

今日の講座内容は
 「測量体験」 :施業エリアの面積をコンパス測量します。
 「測樹」    :エリア内に10m四方のプロットを作り、胸高直径、樹高、本数などのデータを取ります。
 「施業診断」 :採取したデータを基に、現況を分析し、今後どんな施業をしてゆくかを決めます。
 「選木」    :施業診断に基づき、伐る木残す木を選びます。


9時00分 道に迷った方一名を除いて集合完了(?)
主催者挨拶の後、簡単なスタッフ紹介と受講者の自己紹介。
本日のスケジュールを説明。
  
9時15分 測量体験
コンパスの構造、使い方を説明。 コンパスの設置は三脚の設置が肝になります。斜面の下側に二本を置き、残りの一本を置く位置でコンパスが水平になるように調整します。
コンパスが水平になっていることが大切です。二つの水準器でセットしますが、慣れないうちはこれが手強いのです。一箇所で合っても90度回して確認しましょう。
コンパスと三脚を連結しているねじ部分が垂直になるように三脚を設置していると、水平が合わせ易いです。 準備待ちのポールマンは談笑中。
スコープを覗いて大まかに方向と高さをあわせたら、微調整ねじでジャストフィット。この時、コンパスを動かしてしまわないように注意しましょう。
ポールの赤白は20cm間隔。前後左右垂直に保持します。 コンパスは測量ポイントの真上に設置します。
コンパスとポールの斜距離を測ります。巻尺(メートル縄を使用しています。)はしっかりと張りましょう。
10時30分 プロット調査
施業エリアで標準的な混み方と思われる場所を選び、巻尺で10m四方のプロットを作ります。このプロット内の木の胸高直径、樹高、本数を調べます。施業エリアの広さに応じて、こうしたプロットを数箇所設定・調査し、エリア全体の現況を知り、施業方針を決めることになります。
木に巻きつけるだけで直径が分かる「直径巻尺」を使用し、胸高直径を測ります。
「直径巻尺の作り方使い方」はこちら
直径巻尺は地面から120cm(おおよそ胸の高さ=胸高)に水平に巻きつけます。
プロット内の上層にある木で根元からテッペンまで見ることの出来る木を選び、樹高を目視で測ります。低く読む人、高く見る人、誰が正解でしょう。 高さが上層に在っても、いずれ伐ることになる木を選び、実際に伐り倒して高さを実測します。目測した木と同じ木が望ましいですね。
倒した木の年輪を数え、林齢をカウントします。 胸高直径・本数・樹高・林齢など採取したデータは「現況調査票」に記入しておきます。
「現況調査票」はこちら
12時00分 昼食
12時45分 「入門コース」の復習問題
食後、リラックスした気分で、入門コースを受けた方には思い出してもらうのと、今回から受講の方には概略を知ってもらう意味で、伐倒に関する簡単な問題を出しました。
「復習問題」はこちら
13時00分 データ整理と施業診断
測量データをパソコンで作図しました。誤差も少なくとても精度の高い測量でした。 午前中に取ったデータを基に現況の分析と今後の施業方針を検討します。
「森林診断書」はこちら
プロット内の本数は13本、上層樹高は23mでした。 「密度管理図」から樹高に対する適正な本数を割り出します。今回のエリアでは半分くらい伐らなければ適正な密度にはならないことが分かりました。
「密度管理図」はこちら
「樹高成長曲線」はこちら
「保残木マーク法」を紹介。
将来的に残す木を決め、それを邪魔している木だけを伐ろうという方法です。伐る本数が少なくてすむなど沢山のメリットがあります。
おまけ画像
丸ヤスリのホルダーを作ってみました。
15時15分 林内へ戻り「保残木マーク法」で割り出した残す木25本にテープを巻きました。
残す木は、まっすぐで、太くて、幹の断面が真円に近くて、生きた枝がたくさんあって、傷や病気のないものを選びます。そんな何拍子も揃った良い木はなかなか無い物ですね。
幹に凹みなどがあるものは中で傷や腐れなどがある場合があります。 見る角度で曲がりなどが分からない場合があります。木の周りを一周ぐるりと回ってみてみましょう。
15時40分 今回のまとめと次回の連絡。
何とか25本選び終えて、いよいよ次回は伐倒になります。残す木の邪魔をしている木を伐ります。 おまけ写真
今回の特別参加です。カメラマンが怖くて逃げ出しました。
16時00分 解散

けが人もなく無事に「実践コース」一回目を終えることが出来ました。
今回の講座内容理解していただけたでしょうか?質問など何時でもお受けしますので、遠慮なくどうぞ。
次回は、「目立て」と「掛かり木の処理」です。新人の4名の方には入門コースでやった「正確な伐倒のための受け口つくり」も行います。